救命士

一言、”重い”…。

NYで緊急救命士として働くフランク(ニコラス・ケイジ)。彼はここ数カ月というもの人の命を救えずストレスがたまり、救えなかった少女の亡霊に悩まされている。救命士は人命を救うことで自分自身も癒されるのだが、フランクはその快感を長い間味わえずにいるのだ。だが、心臓発作で運ばれた男の娘・メアリーとの出会いにより、彼に変化が訪れる。

序盤は良い感じで進んでいったのですが…。一変して中盤から終盤にかけてつまらなくなってしまいました。数々の疑問を残したまま映画が終わってしまった気がする。

私は最初『ER』のイメージでチェックしたのですけど、ドラマというよりはドキュメンタリータッチの哲学的自己探究物語といった感じでしょうか?一日で多くの救急看者を担当するのは本当に大変だなとしみじみ感じちゃいます。みているうちにニコラス・ケイジだけでなくこちらもノイローゼになりそう…(@0@)。特にあのハの字まゆげが一層なさけなく感じさせます。

ただ、これだけややこしく、難しくつくったわりには結局最後に何が言いたかったのか??と感じるのは全体的に重い雰囲気で疲れた為でしょうか?

ただ個人的には深夜週末にお酒を飲みながら観るはやめたほうがいいと思います…。(南無阿弥陀仏…)

インサイダー

『男の美学』….やっぱアル・パチーノ!

『男の美学』を語らせると世界一のアル・パチーノと「グラディエーター」で強烈な男のフェロモンをアピールしたラッセル・クロウの(実話に基づいた)己の生き方、信念を貫こうとする男たちの戦いを静かに、熱く、重く訴える社会派ドラマ。

米国3大ネットワークのひとつ、CBSの人気報道番組“60ミニッツ”のプロデューサー、ローウェル・バーグマン(アル・パチーノ)の元に届けられた匿名の書類、それはタバコメーカーの極秘ファイルであり大きな不正の鍵を握るものであった。彼はその書類の解説を全米3位の売上を誇るタバコ・メーカー、B&W社研究開発部門のトップであったが、上層部と対立して解雇されたジェフリー・ワイガンド(ラッセル・クロウ)に接触し内部告発のインタビューに成功するのだが、B&W社は巨大な政治力を背景にCBSの上層部に、そしてバーグマン、ワイガンドに圧力をかけてくる。そして報道の自由は権力という名の元に押しつぶされてしまう…。バーグマンは社会的地位を失い、名誉も失い、そして愛する家族との絆までも代償にして自分を貫いたワイガンドの想いを無駄に終わらせまいと自分のジャーナリズム生命をかけての危険な賭けに出る….。

この手の映画は大抵、暴力や政治力等で組織が圧力をかけてゆくというシーンがよく想像されますが、「ヒート」を手掛けたマイケル・マン監督は暴力や派手なカーチェイス等なしに見事につくりあげています。あの、ワイガントの自宅の郵便ポストの中に置かれた一発の弾丸…。無言の圧力と恐怖を演出しています。(実際、あんなことされたら怖いどころじゃないでしょうね…)

また、2人の男たちの苦悩、生きざまを上手く、男性がみて十分共感できる映画です。この役の為に20kg以上体重を増やしたラッセル・クロウ。自分で決断したことながら密告者となり、また裁判で証人になったことで全てを失ったことを理解してるつもりなのに後悔してしまう…。う~~~ん。わかるけど、つらい!

そして、人間の正義、ジャーナリストとしての魂を社会にぶつけていくアル・パチーノ!セリフひとつひとつが、そのしぐさが『男の美学』!!何も語らなくても画面からにじみだしています。『エニイギブンサンデー』もそうでしたが、”語る”アル・パチーノは本当に見入ってしまう、というか吸い困れそうな勢いと魅力が感じられるのは私だけでしょうか?

レインディア・ゲーム

『POW、WOW~?』

RONIN」のジョン・フランケンハイマーのハラハラドキドキのアクションムービー。

仮釈放を3日後に控えた恋人を守って殺人を犯したニック。出所後は獄中で始めた文通相手アシュリー(シャリーズ・セロン)と幸せに暮らすことを夢見ていますが、刑務所内の暴動でナイフで刺され死亡。刑務所仲間で自動車窃盗のルーディ(ベン・アフレック)は出所後、悪いことと思いながらもニックになりすまし恋人関係に…。

ところが、アシュリーの兄、銃の横流し専門のガブリエル(ゲイリー・シニーズ)の一味に捕まりニックがカジノの警備員であったことを利用しニック(になりすましたルーディ)を脅迫してクリスマス・イブにカジノ襲撃を計画します。獄中でカジノの話は聞いたルーディですが…。

最初の見るまではB級映画クラスかな??って思ってたんですけど、けっこういい役者が出演しています。「アルマゲドン」「恋は嵐のように」のベン・アフレックが頭の回転がはやいルーディを上手く演じています。また最近トムハンクス、の映画によく出演している、ゲイリー・シニーズ。「フォレスト・ガンプ」のダン中尉が有名ですが今回は見事な悪役を演じています。それぞれが癖のあるキャラクターを見事に演じています。(個人的にはゲイリー・シニーズの上手さが光っているように思うのですけど。)

ストリー展開もなかなかのもの!”REINDEER GAME”とは「ごまかし」「だましあい」といった意味合いのスラング(俗語、違っていたらごめんなさい)の様です。実際にそのとおりの展開になり、ラストでストーリーが二転三転します。果たして黒幕は誰なのか…。アメリカ映画のハラハラドキドキものはたいてい前半の何気ない会話、しぐさ、シーンが後半重要なシーン、演出に花を添えるもの、この映画も同様です。『POW、WOW』もそういったものの一つ。どうつながってくるかは本編で楽しんでください。

誘拐犯

ユージュアル・サスペクツと比べると…

あてどなき人生を彷徨う2人のアウトロー、ロングボー(ベニチオ・デル・トロ)とパーカー(ライアン・フィリップ)。あるとき大富豪夫妻の子供出産の代理母代ロビン(ジュリエット・ルイス)の話を耳にする。2人の護衛、ジェファーズとオベックスの猛追を振り切りロビンの誘拐に成功、しかしその大富豪の正体は石油王、組合乗っ取り、裏金の資金浄化に手を染めるチダック(スコット・ウィルソン)であった。彼はすぐさま直属の”掃除屋”のジョーをさし向け秘密裏に事件を処理しょうとする。しかし誘拐犯の二人組以上に複雑な秘密、関係が隠されていた。ジョーとロビン、チダック、主治医のペインター、そしてボディガードのジェファーズとチェダックの後妻フランチェスカ…。果たして結末は…。

『ユージュアル・サスペクツ』でアカデミー賞オリジナル脚本賞を受賞、全世界の映画ファンを瞠目させた脚本家・クリストファー・マックァリー。自身の脚本で初監督に挑戦したこの作品、主演には『 ユージュアル・サスペクツ』にも出演し『トラフィック』でアカデミー賞助演男優賞を獲得、その他各映画賞をも総ナメにした現在最も旬の性格俳優、ベニチオ・デル・トロ。寡黙で冷徹であるが悪道というものに対して自己の哲学を持つ役所を圧倒的な存在感で体現しています。実際、随所に”上手さ”を感じさせるところがあってそれだけでも十分価値ある映画だと思います。

またデル・トロの他にもいぶし銀のベテラン俳優人の多数出演、『ゴッドファーザー』のジェームズ・カーン、70年代の犯罪映画の名脇役、『冷血』のスコット・ウィルソン、またジュリエット・ルイスの実父であるジョフリー・ルイス、そして『ナチュラル・ボーン・キラーズ 』のジュリエット・ルイス、特に彼女に関しては久々にスクリーンで見たのですが結構大人になり、なかなかの熱演ぶりです。

ストーリーもさすが『ユージュアル・サスペクツ』の監督だけあって謎めいた展開に引き込まれていきますが前作以上の期待してしまったのか、やや先の読めるような展開になっていきます。ラストシーンについてはどうでしょう??全米映画評も真っ二つに分かれ、大きな議論を呼んだそうですけどやや消化不良ぎみに感じてしまいました。

メメント

記憶に挑戦!驚愕の”時間巻き戻しサスペンス”

妻をレイプされた後殺害されそして自分も襲われた時に負った傷が原因で前向性健忘という10分しか記憶を持てない障害を抱えながらジョン・Gという名前の犯人を捜すレナード(ガイ・ピアース)。記憶のハンデを補う為彼はポラロイド写真や自分の体にメモを残しそれを頼りに犯人捜しに奔走する。そしてレナードは情報屋のテディ(ジョー・パントリアーノ)がジョン・Gだと確信し彼を殺害するのだが…。

全米でリピーターが続出し、インディーズ映画としては異例のヒットを記録した話題作。主人公レナードの感覚同様に、10分、また10分と時間を逆回転させていくという斬新なストーリー展開。冒頭にラストシーンのようなシーンから始まるので最初はインパクトありますが後はどうなんだろ??って思いました。実際、そのシーンの直後は映画の構成を理解することもあって少し退屈な感じもしましたが結局最後には完全に作品に惹き込まれていました。

徐々に過去(最初?)に遡り最後には実際の”スタート”となっていくのですけが各シーンはモノクロ画面でレナードが記憶をつなぎ止めるために考え出したポラロイド写真や体に彫られたタトゥーの”メモ”のキーワードから始まっています。そして前後のシーンとつながるように重複したカットが見られます。この展開がよりパズルのように感じさせ複雑になっているのでしょうがラストで”ああ、そういう事か!”と納得、最後にストーリーが大筋理解できることでスッキリ(?)させもう1回みたくなる映画になっています。

あまり多くを語ることはネタばれになるのですがポイントはレナードが記憶を失う自分の為に残す”メモ”。メモを残した時のレナードは”事実”を記しているのですが後にそのメモを目にするレナードがそれをどう解釈するかによって”真相”が歪められていくかもしれないということ、自分のためのメモが自分のためになっているか?ということでしょう。

英雄の条件』、『L.A.コンフィデンシャル』とはイメージの異なるガイ・ピアーズ、そして製作&監督のノーラン兄弟にも注目!かならず2回はみたくなるおすすめ映画です。