インサイダー

評価:評価3.5: 良い
  • 『男の美学』….やっぱアル・パチーノ!

    『男の美学』を語らせると世界一のアル・パチーノと「グラディエーター」で強烈な男のフェロモンをアピールしたラッセル・クロウの(実話に基づいた)己の生き方、信念を貫こうとする男たちの戦いを静かに、熱く、重く訴える社会派ドラマ。

    米国3大ネットワークのひとつ、CBSの人気報道番組“60ミニッツ”のプロデューサー、ローウェル・バーグマン(アル・パチーノ)の元に届けられた匿名の書類、それはタバコメーカーの極秘ファイルであり大きな不正の鍵を握るものであった。彼はその書類の解説を全米3位の売上を誇るタバコ・メーカー、B&W社研究開発部門のトップであったが、上層部と対立して解雇されたジェフリー・ワイガンド(ラッセル・クロウ)に接触し内部告発のインタビューに成功するのだが、B&W社は巨大な政治力を背景にCBSの上層部に、そしてバーグマン、ワイガンドに圧力をかけてくる。そして報道の自由は権力という名の元に押しつぶされてしまう…。バーグマンは社会的地位を失い、名誉も失い、そして愛する家族との絆までも代償にして自分を貫いたワイガンドの想いを無駄に終わらせまいと自分のジャーナリズム生命をかけての危険な賭けに出る….。

    この手の映画は大抵、暴力や政治力等で組織が圧力をかけてゆくというシーンがよく想像されますが、「ヒート」を手掛けたマイケル・マン監督は暴力や派手なカーチェイス等なしに見事につくりあげています。あの、ワイガントの自宅の郵便ポストの中に置かれた一発の弾丸…。無言の圧力と恐怖を演出しています。(実際、あんなことされたら怖いどころじゃないでしょうね…)

    また、2人の男たちの苦悩、生きざまを上手く、男性がみて十分共感できる映画です。この役の為に20kg以上体重を増やしたラッセル・クロウ。自分で決断したことながら密告者となり、また裁判で証人になったことで全てを失ったことを理解してるつもりなのに後悔してしまう…。う~~~ん。わかるけど、つらい!

    そして、人間の正義、ジャーナリストとしての魂を社会にぶつけていくアル・パチーノ!セリフひとつひとつが、そのしぐさが『男の美学』!!何も語らなくても画面からにじみだしています。『エニイギブンサンデー』もそうでしたが、”語る”アル・パチーノは本当に見入ってしまう、というか吸い困れそうな勢いと魅力が感じられるのは私だけでしょうか?

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