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記憶に挑戦!驚愕の”時間巻き戻しサスペンス”
妻をレイプされた後殺害されそして自分も襲われた時に負った傷が原因で前向性健忘という10分しか記憶を持てない障害を抱えながらジョン・Gという名前の犯人を捜すレナード(ガイ・ピアース)。記憶のハンデを補う為彼はポラロイド写真や自分の体にメモを残しそれを頼りに犯人捜しに奔走する。そしてレナードは情報屋のテディ(ジョー・パントリアーノ)がジョン・Gだと確信し彼を殺害するのだが…。
全米でリピーターが続出し、インディーズ映画としては異例のヒットを記録した話題作。主人公レナードの感覚同様に、10分、また10分と時間を逆回転させていくという斬新なストーリー展開。冒頭にラストシーンのようなシーンから始まるので最初はインパクトありますが後はどうなんだろ??って思いました。実際、そのシーンの直後は映画の構成を理解することもあって少し退屈な感じもしましたが結局最後には完全に作品に惹き込まれていました。
徐々に過去(最初?)に遡り最後には実際の”スタート”となっていくのですけが各シーンはモノクロ画面でレナードが記憶をつなぎ止めるために考え出したポラロイド写真や体に彫られたタトゥーの”メモ”のキーワードから始まっています。そして前後のシーンとつながるように重複したカットが見られます。この展開がよりパズルのように感じさせ複雑になっているのでしょうがラストで”ああ、そういう事か!”と納得、最後にストーリーが大筋理解できることでスッキリ(?)させもう1回みたくなる映画になっています。
あまり多くを語ることはネタばれになるのですがポイントはレナードが記憶を失う自分の為に残す”メモ”。メモを残した時のレナードは”事実”を記しているのですが後にそのメモを目にするレナードがそれをどう解釈するかによって”真相”が歪められていくかもしれないということ、自分のためのメモが自分のためになっているか?ということでしょう。
『英雄の条件』、『L.A.コンフィデンシャル』とはイメージの異なるガイ・ピアーズ、そして製作&監督のノーラン兄弟にも注目!かならず2回はみたくなるおすすめ映画です。
