ユージュアル・サスペクツ

サスペンス映画を見るならとりあえずチェック!

この映画はここ何年かみた映画のなかで最高によくできた作品だと思います。映画自体はあんまりお金のかかっていないって感じがするのですが、脚本がすごい!さすが1995年アカデミーオリジナル脚本賞作品!

物語はコカイン密輸船大爆発事件で唯一人生き残ったキント(ケビン・スペイシー)が警察で尋問され事件を振り返る回想シーンからはじまります。

密輸船に積み込まれたコカインと9100万ドル強奪の実行の為に伝説のマフィア、カイザー・ソゼの指事によりそれぞれ別件で留置場に居合わせた5人の男達。それぞれにクセのある連中を謎の人物、カイザー・ソゼが姿を見せずにうまく操っていきます。しかし、彼の正体に疑問を抱き逆にコカインと現金を横取りしようとグループのリーダー的役割を演じるキートン(ガブリエル・バーン/『アサシン 暗・殺・者』のブリジットフォンダの教育係、『エンド・オブ・デイズ』のサターン役等)、物語では様々な伝説を紹介しながらカイザー・ソゼの強大さ、恐怖を実行グループに印象づけています。

果たしてカイザー・ソゼの正体は?コカインと現金は誰の手に?普通この手の映画はラストの20分程前にクライマックスがあり、最後は予想できるのですが、この映画はほんと最後の最後までみないことには…。106分の映画ですが、ほんと最後の最後でみごとだまされ思わず膝を叩いてしまいました!!またこの作品でアカデミー助演男優賞をとったケビン・スペイシーにも注目してください。

リアリティ・バイツ

社会人一年目の人必見!?

あらゆる選択肢がある現在で自分の価値観を見い出そうとする若者達(ジェネレーションX)の青春ドラマ。

大学を優秀な成績で卒業しテレビ局でADとして働くリレイナ(ウィノナ・ライダー)、ルームメイトでGAPで働くビッキー、同性愛者?サミー、バンド活動をしながら自分のやりたいことを追求するトロイ(イーサン・ホーク)。リレイナは自分達をモチーフに現在の若者達の姿をドキュメンタリーとして作品を製作し売り込もうとするが、社内の人間関係に苦しみ解雇される。そんなおりTV番組製作会社のマイケル(ベン・スティラー)と知り合い恋人関係となりマイケルはリレイナのドキュメンタリーに関心を持つのだが..。

”現実の厳しさ”という意味のタイトルです。不況の昨今、就職活動を経験した人、またはそういう経験がなくても”自分はこんな人生を送るはずはないのに…”とか自己のプライドと現実とのギャップに葛藤を持つ人なら登場人物達に感情移入できるのではないでしょうか?私の場合は会社を解雇された後のイレイナの周りのもの全てを排他的にとらえるような行動や感情に昔経験した”醜い自分の姿”をあらためて見せつけられたような気がします。

個人的にはウィノナ・ライダーがお気に入りなので(^^)問題ないのですが、やはり客観的にみると”尻切れとんぼ”のような印象が強く残りました。前半はたしかに”世の中に甘えていた”若者達に襲い掛かる”現実の厳しさ”を投げかけて問題提起をしているのですが、後半はリレイナとトロイとマイケルの三角関係の恋愛ものに摺り替えられたていますし、三角関係の結末は…予想できると思うのですがその過程に不自然さが感じられます。

恋愛ものとしても中途半端でしたが、結局”現実の厳しさ”に対して彼ら達が選択した行動も??って感じです。結局オープニングでリレイナの演説シーンがあったのですが結びとなった”あの言葉”が全てということなのでしょう。

アート・オブ・ウォー

”THE ART OF WAR”は『孫子の兵法』

極秘任務を請け負う国連直轄の影のエキスパートが巨大な陰謀に巻き込まれて行くサスペンスアクション。

ニール・ショー(ウェズリー・スナイプス)は 国連の国際保安エキスパートチームのリーダー、国連事務総長ダグラス・トーマス(ドナルド・サザーランド)管轄下の敏腕エージェント。しかし存在は非公式、影の存在。米中の貿易協定締結に絡み中国側の要人がパーティ会場で暗殺。事件当時、現場に極秘任務で居合わせたニールのチームは犯人を追跡、しかし追跡中に無線で同僚のブライ(マイケル・ビーン)の断末魔を聞き、しかも犯人は逃亡。さらニールは暗殺者と間違われFBIに追われる立場に…。真犯人究明に躍起になるニール。真相を握るのは暗殺現場で盗聴した要人の会話を記憶したフロッピーディスク。そして真犯人に友人を殺されたジュリア(マリエ・マチコ)。真相に近付くにつれ襲い掛かるチャイニーズ系のヒットマン、果たして真犯人は?事件は予想外の方向へ進んで行く…。

ストーリーは単純なサスペンスでなくかなり高度で複雑な展開になっています。タイトルは『孫子の兵法』の事で”本当の敵を見誤ることなかれ”と訴えています。誰が得をするのか??というような感覚でみるのはなく政治的謀略劇でみるとよいのではないでしょうか。

また、主演のウェズリー・スナイプスのアクションにも注目して下さい。得意のマーシャル・アーツが炸裂!格闘技的要素たっぷり、でラストのほうにあるアクションはパワーでなく上手さを感じさせます。

まだまだコメントしたいことがあるのですが、とにかくかなり綿密に作られたストーリーにアクションが上手くミックスした映画。ラストの方で「ああ、そうか!」と感嘆する人も多いことでしょう。

ミッドナイト・ラン

”来世で会おう!?”

金のためならどんな危険な仕事も請け負う元刑事のジャック(ロバート・デ・ニーロ)。ある日、ギャングの金を横領して慈善事業に寄付した謎の男マデューカス(チャールズ・グローディン)をロスに連れてくる仕事を受ける。最初は簡単な仕事のように見えたが、ギャングとFBIの両方から追われることに。そしてここに5日間のアメリカ大陸横断の大逃走劇が始まる。

デ・ニーロの映画では比較的数少ないアクションコメディ。軽快なテンポにストーリーもうまく噛み合っておりそれでいてデ・ニーロにお似合いのシュールなギャグが絶妙にからみ合っていてまさに娯楽!典型的なアメリカ映画とよぶに相応しい私の中でもアクションコメディNo.1にあげられる映画です。デ・ニーロ出演映画ですがB級映画の雰囲気だたようこの作品、何回みても楽しめるオススメ作品、たんなるコメディでなくラストは男の友情を感じさせるジーンとくるシーンも…。

この映画は前年の『アンタッチャブル』のカポネ役から一転、容姿、キャラクターとも180°転換したデ・ニーロの役づくりが見どころですが、異様な存在感を放つチャールズ・グローディンにも注目しましょう!頭がいいのか悪いのか?ちょと間抜けな知能犯のマデューカスとジャックのドタバタ劇、”来世で会おう”が一つのキーワードになっています。

また、傍役人も目立ちたがりの豪華キャスト!FBI役のヤフェット・エコー、ジャックの商売敵役のジョン ・アシュトン等ジャッグの彼らに対する定番ジョークも必見!

デ・ニーロ自身”最も気に入っている作品”のひとつにあげるこの映画。絶対押さえておきましょう!

初恋のきた道

気が付くと涙が…。

華北の美しい村。都会で働く青年ルオ・ユーシェンは、父の訃報を聞いてこの村に戻ってきた。母は、伝統の葬儀をすると言って周囲を困らせる。仏さんが「家路」を忘れないように、棺を担いで山を越えるというものである。そして話は過去に遡る。都会からやってきた若い教師ルオ・チャンユーに恋して、その想いを伝えようとする18歳の少女チャオ・ディ(チャン・ツィイー)。手作りの料理の数々に込めた少女の恋心は、やがて彼のもとへと届くのだが、当時は自由恋愛というものは珍しく、ディの祖父母も”身分が違う”と彼女を諭す。そして時代の波「文革」が押し寄せ二人は離れ離れに。少女は町へと続く一本道で、来る日も来る日も愛する人を待ち続ける。

純粋なラブ・ストーリーでどちらかといえば目立つクライマックスも感じられないかもしれませんが、気が付くと頬に涙がこぼれています。ポイントは主人公を演じるチェン・ツィイーの健気で一途な気持ち。気軽に男女が会話できる時代でなくそれが一層彼女の思いを募らせます。出会ってから始めて会話をするのがかなり後になっていて、そこに辿り着くまでの過程に共感を感じることでしょう。

私はこの映画の邦題があまりにも見事にはまっているのに感心しました。まさしくこの映画では町から続く一本の”道”が舞台となっています。

・ディはじめ村人一同でユーシェンを迎えた”道”
・ユーシェンと知り合うためにディが毎日待ち伏せしていた”道”
・ディの無理矢理に町へ連れ戻されるユーシェンを懸命に追い掛け見届ける”道”
・旧暦の12月8日に帰るとユーシェンの言葉を信じ吹雪の中たたずむデイ、そしてひたすら見つめる”道”
・棺の中で眠るユーシェンと彼との思いをかみしめながら村に帰ってくるディとその”道”

映像も中国の雄大さを感じながらまた新鮮な雰囲気を感じます。現在をモノクロで過去をカラーで撮影するとは本当にグッドアイディア。しかし何よりも素晴らしいのは意図的なものを感じさせない監督チャン・イーモウの演出の素ばらしさではないでしょうか。普通、映画をみているとここは泣かせるシーンだな、と感じながらBGMと合わせて涙を誘いそして感情移入していくのですがこの映画ではそういう力づくと感じられず気が付くと涙がでていて刹那、”あれ、何で泣いているんだろ”と感じてしまうほど無意識に誘導されていてたというような感じに陥ります。

ラスト30分はひたすら涙がこぼれてくるこの映画。感動する映画は数あれどそれだけでなく心濯われるような気分になるのはそうはありません。初恋の思い出にひたりたい人、まだの人も是非みて下さい。