あたらしいタイプのスタローン??
ラスベガスでギャングの下で借金の取り立てをしているジャック・カーター(シルベスター・スタローン)。彼の元に何年も前から連絡をとっていなかった弟の事故死の知らせが届く。弟の事故が飲酒運転と知りその死に疑問を抱くカーター。真相を究明すべく故郷に戻った彼だが、久々に帰ってきた彼に冷たい視線を向ける弟の妻グロリア(ミランダ・リチャードソン)。そして母親と同様な態度を取りながらもカーターに何かを訴えようとし、そしてカーターに人間としての安らぎを与えるドーリン。また、弟の謎の事故死に関わっているバーのオーナー、ブランビー、そしてカーターのかつての仕事仲間のサイラス(ミッキー・ローク)。事件の真相を知った時、カーターの償いと復讐の戦いが始まる…。
物語としてはストーリ展開が静かに感じられたためか盛り上がりにかけたような気がしますが、派手なカーチェイスもありよくまとまった作品かと思います。この映画は1971年イギリスの『狙撃者』のリメイクという事ですが、前作と違った主役のカーターを演出しようという事で”人間らしさ”にこだわったようです。
アカデミー賞受賞者でもあり『狙撃者』に出演しているマイケル・ケインは「私がカーターを演じたときには、マフィア言葉でいえば、マフィアの組合員になった男だった、大物の一人だった。今度のカーターは、それとは逆に、外側にいて中に入ろうと模索している。それに野蛮でもない。彼が闘っているのは結局、モラルにおいての問題である。スライ(=スタローン)が演じたカーターの方がずっとナイスなキャラクターだ」。と語っています。実際、スタローン自信も脚本をみて即OKしたとか。また、久々にミッキー・ロークが登場しています。サングラスを外した顔をみて一瞬”こんな顔だったけ??”って思たのは私だけでしょうか?”猫だましパンチ”で有名な彼と”ロッキー”のスタローンだけにボクシングスタイルの対決シーンもあります。
一番の見どころは落ち着いた展開から事件の真相を知り怒りの炎を燃やし復讐を開始した瞬間のカーター。圧倒的な迫力があり、『ランボー』とは違ったタイプのキャラクターを上手く演じきったスタローンの新しいスタイルの発掘かも…??