男が恋人の彼氏のために銀行強盗?
この作品は、かなりストーリーがよかったと思います。すこし異様な設定がよかったのかも…。アカデミーオリジナル脚本賞受賞作品です。ちなみに原題の「Dog Day」は日本語で「盛夏」を意味する熟語であり、邦題の「狼」とは関連性が無いそうです。
アルパチーノ率いる3人組が銀行強盗を実行しようとするのですがいきなり仲間の一人が実行直後にびびってしまい脱落。『やっぱ悪いことはできない』っていいながらも、銀行から走り去るときに机の下に隠れている女性を見つるとまた戻ってきてアルパチーノに知らせるという律儀さを披露?それなら最初から強盗なんかするなよって思うのですけど…。
前半は比較的コミカルな雰囲気があります。銀行なのに金庫はからっぽだったり、人質なのに強盗の味方をする銀行員、銀行と人質の間に奇妙な連帯感が生まれ、又店を出て堂々と胸をはって警察と交渉するアルパチーノを応援する野次馬(一般 市民)達。しかもアルパチーノの強盗の理由が恋人の彼の性転換手術の費用の為っていうのが個人的に気に入りました!しかもその恋人と電話で会話がありそれを警察が盗聴してるシーン(後半に本物奥さんが登場します。)、また彼を応援するゲイ団体等…。ここまではシリアスチックなコメディっていってもいいかも知れません。
後半はだんだんとシリアスに展開していきます。警察に完全に包囲されている状況で追い詰められ射殺されることも覚悟するアルパチーノ。そしてラストは突然訪れます…。見終わった後はコメディな印象は消えていました。