英雄か、殺人者か?
米軍海兵隊による 中東イエメンでのアメリカ大使館員救出作戦は80名もの一般市民が海兵隊の無差別銃撃によって死亡するという悲劇を招いてしまった。全世界注視のもと、発砲命令を出したチルダーズ大佐(サミュエル・L.ジャクソン)の軍事裁判が始まった。彼の弁護を引き受けたのは、ベトナム戦争で彼に命をすくわれたホッジス大佐(トミー・リー・ジョーンズ)。友は本当に無実といえるのか?真実の鍵を握る大使館の防犯カメラのテープの存在を隠蔽し、あくまでも歴戦の勇士の凶行として処理しようとうするアメリカ政府、綱紀粛正のため軍のためホッジス大佐を有罪にせしめようとする軍事裁判の検事をつとめるマーク・ビックス少佐( ガイ・ピアース)。果たして真実は?
組織対人間のサスペンスものです。現題の『RULES OF ENGAGEMENT』とは米海兵隊員が作戦遂行中に従うべき[交戦規定]という意味だそうです。途中までは”真実”が映画を観ている人にも分からない為、冒頭のベトナム戦争時でチルダーズ大佐がホッジス大佐に救出されたときにとった彼の行動、人間性が疑惑を増大させます。サミュエル・L・ジャクソンは、チルダーズを「自分が正しいと感じたことを実行する海兵隊幹部。時には、規則を曲げることもあるが、それは成果を上げるためだ。彼は母国を信じ、彼の海兵隊を信じ、どんな犠牲を払ってでも戦友たちに誠実であろうとする」とコメントしています。この事件が28年後、裁判においてクローズアップされることになります。
サミュエル・L・ジャクソンが海兵隊に全てを捧げる熱血軍人、トミー・リー・ジョーンズが友の為に真実を究明する弁護士役と2大スターの共演で各々が味のある演技を披露していますが、私にはガチガチに真面目エリート将校役のガイ・ピアーズが印象に残りました。『L.A.コンフィデンシャル』でも堅物エリートの役をしていたのですが、完璧にはまり役(なんか牛乳瓶の底のような眼鏡が似合いそう…)で今後もこのようなタイプの役が多くなるようなきがしました。